「経営視点を持とう」など視座を上げやすくするための6つの視点の転換術

「君もそろそろ経営視点を持って部下のマネジメントをしてくれよ。いつまでもプレイングマネージャーじゃダメだ」

こんなことを社長や役員から言われたことはないでしょうか?いただく相談にも「経営視点を持てと言われるんですけど、その具体的な内容も身につけ方も言われずモヤモヤしています」という声が多いです。

プレーヤーからいざマネジメント職にステップアップしていくと、CEOやCTOといった経営層と話すことが増えます。その時にはいわゆる「視点を上げる」ことが求められます。例えば下記のような例は、それぞれ1つ、ないしは2つ視点を上げている状態だといえます。

  • マネージャーが事業部長視点を持つ
  • 部長が経営者視点を持つ
  • 経営者が社会の一員という視点を持つ

どうすればこの視点を高めやすくなるのでしょうか?このコツが分かればCEOやCOOといったいわゆる市場価値の高い「CxO職」へのキャリアステップが見えてきます。まずはなぜ視点が自然と上がらない原因を分解していきましょう。

視点が上がらない理由は

視点が上がらない理由は、実は一言で表現されます。こちらです。

<物事の片面しか見ていない>

なぜ物事の片面しか見ていないのか。この理由も明らかになっています。

<俯瞰できていない>

具体的にはどういう状態でしょうか。例えば、結果を出すことが大好きなマネージャーは、結果が出ているかどうかにしか着目しません。それ故に、過程を重視しているメンバーに対して「結果に直結する行動だけしなさい」と指導してしまうことがあります。でも、俯瞰して見てみると結果の裏面には過程が必ず存在していることに気づけます。結果の裏には過程がある。両面見ることが俯瞰している状態といえます。

もう一つスタートアップ経営の簡単な事例を見てみましょう。スタートアップ界隈では「動きながら考える」というリーンスタートアップ的な考えが支持されやいです。何が正しいかが分かりにくい世の中では、正確さよりもスピード感を重視すべきという考え方です。では、リーンスタートアップは万能でしょうか。こう問うてみると俯瞰でリーンスタートアップを見ることができます。スピード感を重視するあまり急激な変化についていけないチームメンバーが疲弊する可能性があります。

こうして物事の両面を俯瞰して見ることで、一つ視点を上げることができます。リーンスタートアップの例で言えば、現場視点では「スピードが出るなら良い」と考え、マネジメント視点では「スピードと正確さのどちらを重視すべきか」を考え、経営視点では「スピードと正確さを両立する第三の道はないか」と考えます。

視点を上げる、つまり俯瞰して物事の両面を見るだけで、出す結論の質は大きく変わるのです。

使える視点転換の6つの技術

では、ここから「視点を上げる」ために使える「視点逆転の6つのTips」をご紹介しましょう。物事のどこに着目するかの、着眼点を持っているだけで俯瞰して考えられるようになります。

1.過去→未来

「なぜできなかったのか?」

「どんな未来を作っていけるだろうか?」

過去の出来事を振り返っていくことも重要なことだ。振り返るのは悪いことじゃない。重要なのは、「なぜあんなことをやったんだ」「なぜできなかったんだ」と過去にばかり着目せず、振り返って「さて未来にどうつなげていこうか?」と考えるようにしてみよう。

2.原因→目的

「それが起こった原因はなんだろう?」
「それはなぜ起こったのだろう?」

「それを起こした目的はなんだろう?」
「それは何を目的にして起こったのだろう?」

原因にばかり着目されると、時に人はしんどくなる。「なぜ?なぜ」と問い詰められているような感覚になる。そういったときには「それは何を目的にしてからそうなったんだろう?」と問いかけてみよう。

人間の行いには、原因よりも常に目的(意図)が存在する。子供がテスト勉強をせず、悪い点をとってしまうのは、悪い点をとる原因があるのではなく、友達と一緒にNintendoSwitchで遊ぶ、という目的があるから、結果としてテストの点が悪くなる。何を目的にしているからその結果になっているのか、に着目してみよう。

3.成果⇆学習

※これが最もマネジメントでは使いやすい技術の一つです。

「どうすればゴールにたどりつけるだろう?」

「ゴールに近づけたのは何ができたからだろう?」

「何ができるようになればゴールにたどりつけるだろう?」

これは最もマネジメントで陥りやすく、最も効く視点の転換だ。

1,000万の営業成績があったときに、前々月は600万実績で、前月は850万だったとする。そうすると

成果志向の人は「前々月の600万からあと400万どうする?」「前月の850万からあと150万どうする?」というゴールから逆算した視点だけを見がちだ。

学習志向の人は「前々月の600万から前月で850万になったけど、250万分は何ができたから増えたんだろうね?」という視点を持つ。

ゴールから逆算して足りないところを見つけるのではなく、現在地から見てできるようになったことに着目するのが学習志向だ。

多くの人(特に日本人)は、成果志向で物事を見がちだ。学習視点を意識して問いかけることで、人を伸ばす力はぐっと上がり始める。

4.他責→自責

「なんで私が?」

「私だよね?」

会社やチームに入れば時には自分がしたくない仕事もあったり、流れ弾に当たって不遇の時を過ごすときもあるだろう。その時に「なんで私が?」という問いは、果てしなく自分を否定し続ける、周囲の人を責め続ける問にしかならない。

そこで「私なんだよね?」と問いかけることで、そこにいる意味を考え始める。建設的な当事者意識を持つことができるので、前に進み始める。

5.why→how

「なぜできないのだろう?」

「どうすればできるのだろうか?」

なにかチャレンジをしていれば、失敗なんてザラに起こる。その時に「なぜできないの?」と責め続けても、できない理由ばかりできて、負のループに入ってしまうことがある。

そうゆうときは、「どうすればできるようになるだろう?」という目的に目を向けてみよう。そうすると、新しい選択肢や気付きが出てきやすくなる。

6.自分⇒他者

「私はこう思う。あなたはこんな人に見える。」

「あなたの視点から見るとどう見えるのだろう?」

自分からの視点しか持っていないことで、

「どんな未来を作っていこう?」

過去の出来事を振り返っていくことも重要なことだ。振り返るのは悪いことじゃない。重要なのは、「なぜあんなことをやったんだ」「なぜできなかったんだ」と過去にばかり着目せず、振り返って「さて未来にどうつなげていこうか?」と考えるようにしてみよう。

全ての物事は「コイン」である

「視点逆転の6つのTips」を使うと、自分の偏っている考え方の癖に気づき、変えていくことができます。人によっては「私はhowを見る癖があるからwhyの視点で見てみよう」となるかもしれないですし、「私は他責が強かったようだ。自責で考えられる部分を見つけよう」と考えられるかもしれません。

「視点を変える」というと、今までの自分とは全く違う自分になることを想像して難しく考えがちですが、実はその本質は「俯瞰して物事の反対を見る」だけなのです。

いわば、全てのものはコインのようなものですね。

表面に「他責」が書かれていたら、裏面には「自責」と書かれています。

表面に「結果」が書かれていたら、裏面には「原因」と書かれています。

ぜひ俯瞰して、物事の表面と裏面と見て、経営層と会話ができるようになっていってください。


投稿者プロフィール

中村勇気
中村勇気two edge ,LLC founder |パーソナルコーチ
two edge,LLC代表/人生を研ぎすます「WHEN EDGED」編集長/才能や価値観のパーソナルトレーニングプログラムSelfEdge提供中