人の成長に関わる上で多くのマネージャーは4つのうち1つしか使えてない成長tips

チームのリーダーやマネージャー、または経営を司るものとして、メンバーの成長はとても大事なこと。

多くの経営者、事業責任者やマネージャーとコーチング、ディスカッションをしていく中でメンバーの成長を実現できる人、できない人の特徴が見えてきた。

成長を実現するためには、4つの要素が見えてきた。そしてメンバーの成長を実現できないリーダーは、そのうちのほぼ1つしか使えていないことが見えてきた。

その4つの要素を説明していきたいと思う。子育てにも通じる成長のエッセンスになるのでぜひ参考にしてほしい。

メンバーが成長するための4つの要素

4つの要素を早速伝えてしまうとこうだ。

  1. 足りない知識・技術を増やすサポートをする
  2. メンバーの成長のゴールを定め、能力の過不足を認識させる
  3. 古い、または間違っている知識/技術をアンラーニングする
  4. 教わりグセではなく気づきグセを重視する

この4つの要素をしっかり使い分けていくことが求められる。

ほとんどのメンバーの成長に関わるリーダー層は「1.足りない知識・技術を増やすサポートをする」だけを行っている傾向が高い。

この4つを、「食事」に置き換えて考えてみると、1だけしかしないリーダーの片手落ち感が伝わりやすい。

整理してみるとこんなかんじ。

1.足りない知識・技術を増やすサポートをする

食べ物で例えながら、解説していきます。

  • 食事で見ると・・・
  • メンバーは腹減ってもない(腹減ってる自覚がない)のに、食べ物持ってくるリーダー。またはメンバーの好みやニーズを満たさず、リーダーの食べさせたいものばっかり食べさせる。

この1だけを行いメンバーの成長を実現できないリーダーで多いのは、メンバーのニーズを作ることができていない、ということです。ニーズが作られていないことで、アドバイスや新しい知識や技術を伝えても頭に入らず、身体に染み込まずだた、右から左へと流れていってしまいます。

もう一つは、あなた視点「だけ」で見たニーズをただ食べさせようとしているだけ。あなたが思うメンバーのニーズを勝手に、メンバーが食べたいものだと思いこんで食べさせようとしているだけ。本当に必要な食べ物であったとしても、ニーズが作られていない限り、吸収しようとはしません。

処方箋

本当にその知識や技術、コツを食べたい、と思えているのか?を確認しよう。そのために下記の2〜4が重要になってくる。

ちなみに、ダメな営業パーソンも一緒。クライアントのニーズを把握、喚起することなく、提案しても、その提案は藻屑(もくず)となり消えるだけ。

2.メンバーの成長のゴールを定め、能力の過不足を認識させる

  • 食事で例えると・・・
  • 「ピーマンを食べたくない」と思っているメンバーに、ピーマンを食べる、ということに意味づけがちゃんとできているか
    • ゴール(健康な状態)に対して、差分がある、それを埋めたい、というニーズ
    • 今の自分の腹痛がなぜ起こっているのか、の原因とその解決策がわかる、というニーズ

メンバーのゴールは一緒に作るのが”吉”

ゴールづくりは、メンバーと一緒にすり合わせしながら作っていくのも一つです。

リーダーが勝手にメンバーのゴールを考えて、「君のゴールはこれだから」と言われてもメンバーはゴールを受け入れづらいもの。

1の新たな知識と技術の提案をするために、まずはニーズを双方でしっかり把握・確認しよう。

  • 現状把握)なぜ、今うまくいっていないのか?視点、能力のある/ない、必要なサポート、機会、懸念など。
  • 現状把握)今、上手くいってることは何か?cale
  • 今の状態から、どうなっている状態が望ましいのか?

そのメンバーにとって、成長したゴールは何になるのか?そのゴールが手に入ることはメンバーにとって望ましいことなのか?を明らかにしましょう。

そうすると、そのゴールに対して、今の自分との間にギャップがある、ということが認識できます。

そうすれば新しい知識や技術の獲得のために何が必要なのか、を自ら考えるようになります。

3.古い、または間違っている知識/技術をアンラーニングする

  • 食事で例えると・・・
  • メンバーは、何年か前に買った食料が腐っていること、古くなっていることに気づいていません。腐っている食料をそのまま食べて、腹痛に見舞われてます。が、腐っているという認識がないため、腹痛の原因に気づいていない状態です。

今まで身につけていた知識や技術を捨て去ることを、アンラーニングといいます。ラーニングは、新たな知識や技術を身につけること、それに対してアンラーニングは捨てる、書き換える行為を指します。

例えば、転職して全く異なる環境に身を置くと前職の常識が通じなくなる、前職の考えや経験を捨てて、新たな価値観、考え方を身に着けていく、というような経験は大なり小なり、経験したことがあるのではないでしょうか?

アンラーニングを行うには、現状の自分の考えやこだわり、持っている(古い)知識や技術を自覚しなければなりません。

アンラーニングを行うためのtipsとして何個か紹介したいと思います。

  • 振り返る習慣をつける
    • 自分が何を考えているのか、を自覚するために振り返りの習慣をつけることは重要なポイントです。
  • 多様な考えの中に身を置く
    • 自分と異なる考えがたくさんある状況に身を置くと、「果たして自分の考えは正しいのか?」と自分の考えを良い意味で疑えるようになり、自分の価値観に気づきやすくなります。
  • 好奇心を持ち、新しい経験を積む
    • 今までの自分のやり方ではなく、新たな知識、技術、経験をし続けることで、古さにきづけるようになります。

など、アンラーニングを行うための方法はまた別の記事でご紹介したいと思います。

4.教わりグセではなく気づきグセを重視する

教わりグセではなく自ら気づく「気づきグセ」を手に入れよう

さて、ここまで1.足りない知識・技術を増やすサポートをする、2.メンバーの成長のゴールを定め、能力の過不足を認識させる、3.古い、または間違っている知識/技術をアンラーニングするをお伝えしてきました。

4つ目は、これらの仕組みを見える化する、自覚しやすい環境づくりになります。

毎回毎回リーダーが指摘しなければ自覚できないメンバーだと、手がかかりすぎます。

これは、教わりグセが抜けていない、という症状でもあります。学校的な「教わって学ぶ」ではなく、「気づいて学ぶ」というスタンスを身につけていく必要があります。

そのために有効なのがフィードバックモニタリングです。

フィードバックは、リーダーやチームのメンバーからの指摘などを定期的にもらうことです。上手くいった点は何で、何はうまくいかなかったのか、他人から自分の行動や発言、振る舞いはどのように映っているのか、といった点に気づいていくことです。

※厳密には、アドバイスすることはフィードバックには属しませんが、他人からあなたがどう見えているかを伝えることがフィードバックだと思っておいてください。

モニタリングは、ダイエットで言う体重計に乗ること、であったり、1日の摂取カロリーをレコーディングしていくような行為だと思ってください。

毎日体重計に乗ることで、体重や体脂肪率が見える化され、それが「気づき」につながります。

日々の仕事の中で、できている/できていない、うまくいっている/いってないを明らかにすることで、「気づきグセ」へとつながってゆきます。

※ただし、モニタリングは単なる監視のことを指していません。なんでもかんでもリーダーが見張り、干渉しすぎるとそれはマイクロマネジメントになってしまいますので気をつけてください。

メンバーを成長させる4つの道

部下の成長を加速させる道を4つ示した。この4つの成長Tipsの中で自分は何個使いこなせているか確認して欲しい。1つでも使っていないTipsがあれば、それは部下のポテンシャルを25%も引き出す余白があるということだ。

「私は育成に向いていないんじゃないか」、「自分でやった方が早い」と結論づける前に、ぜひ「成長を促すには4つの関わり方がある」ことを思い出して欲しい。