今日からできる実践編!大人の非認知スキルの高め方


「もっと仕事のパフォーマンスを上げたい」
「どうやったら自分の生産性を上げられるのか分からない」

こんなお悩みを持ったことはありませんか?

非認知スキルとは、意欲・楽観性、忍耐・自制心、自信、思いやり、コミュニケーション力といった、能力を育てるためのスキルです。詳しくはこちら。

非認知スキルを高めることで、自分アクセル・ブレーキの調整ができるようになり、チーム間のコミュニケーションの円滑化や仕事の生産性向上につながります。実は、大人になってからの方が高めやすいとも言われています。

では、実際に非認知スキルを高めるにはどうしたらいいのでしょうか。

今回は、すぐ実践できる2つの方法についてご紹介します。

実践方法1: ”そもそも”を考える意識づけをせよ!

まず、非認知スキルを高める方法の一つに、自分自身で意識づけすることがあります。意識的な行動をとることが鍵となるのです。地味に見えるかもしれませんが、この意識的な行動は非認知スキルを高める上で五つ星がつくくらい重要な力になります。

“学習深度”と呼ばれる学習の深さを表すものには、いくつか種類があります。シングルループとは、行動と結果を振り返るもので一番簡単なものです。ダブルループとは、行動の前提になっているものから疑うもので、改革に当たります。

△学習深度の図

会議や組織で言うと、「そもそも何のためにやるの?」と、アクションプランの前提になっている戦略や方針を疑うことです。個人だと、思考や価値観を疑うことがダブルループの学習になります。

日々の考え方も、シングルループからダブルループに意識づけることが重要です。なぜかというと、ダブルループの思考は、他の物事にも応用できるからです。

例えば、社内ミーティングの発言ひとつとっても、”自分は何を大事にしている人だろう?”と問うてみることでダブルループの考え方は染みついていきます。

私たち人間は、意識的に練習することで無意識的に行動できるようになります。意識づけを繰り返すことで、当たり前になっていくんです。

意識づけのくり返しが習慣になる!

ラーニングステップとは、学習のレベルを5段階別に示したものです。そもそも論を意識づけすることで、自分の価値観や非認知スキルについてのラーニングステップも踏めるのです。

△ラーニングステップの4段階

ラーニングステップには次の4つの段階があります。

1 無意識的無能:知らない
2 意識的無能:知っているけれどできない。情報ではあるけど知識ではない
3 意識的有用:意識すればできる
4 無識的有能:考えなくてもできる
5 無意識的有能×意識的有能:人に教えることができる

非認知スキルの「意識的な行動」をくり返すことで、下段の意識的な行動が3の意識的有能から4の無意識的有能、4の無意識的有能から5の無意識的有能×意識的有能にステップを踏めるのです。

非認知スキルについて、自分のラーニングステップはどこに当てはまりますか?

意識づけを継続的にし、自分の非認知スキルも考えなくても使える”4 無意識的有能”の部分に持っていきましょう!

実践方法2 自分でコントロールできる範囲に物事を解釈する

自己解釈能力とは、物事や人の言動などについて、自分なりに考え理解することです。自己解釈能力を高めることで、自身の状況や体験に対しての意味付けもしやすくなります。

自己解釈能力とは、
a)解釈能力
b)リフレーミング
の2つによって成り立っています。

a)解釈能力

解釈能力のNG例1:他者評価に依存した解釈

他者評価に依存した解釈とは、他者の評価によって物事のいい・悪いを判断することです。よくある例は「褒められて嬉しい」という認識です。

例えば、会議であなたが発表した後、「さっきのプレゼン資料よかったね!」と上司に褒められたとします。そこで、「上司にすごいって言われて嬉しい」という解釈で終わらせると危険です。もし上司が余裕がなくて機嫌も悪くて、同じプレゼン資料を持っていっても、褒めてくれない/認めてもらえない、ということが起こりえます。そうすると、「ああ、全然ダメだったんだ・・・今回のプレゼン資料・・・」という思考回路が出来上がってしまいます。

Good or Moreの評価が他者からの評価に依存していることで、自分で解釈する力が育たず、周りの目を気にして一喜一憂する脆い自分が生まれてしまいます。

ここから言えるのは、他者評価に依存した解釈ではなく、他者評価を自分自身で噛み砕き、解釈しなおす「自己解釈能力」が重要だ、ということです。

たとえ、上司に褒められたときも、「褒められたから自分はすごい!」ではなく、「自分の資質をこう使えているからいいアウトプットになるんだ」「前回すり合わせた修正点を自分なりに工夫してグラフを入れたことが評価されているんだ」など、自分の試行錯誤、努力などのプロセスを踏まえて解釈することができるかどうかが、解釈能力を高めるコツです。

もう一つポイントを追加しておくと、自分のコントロールできる範囲の解釈能力を鍛えることです。相手の感情や相手がどう思うか、どんな結果になるか、はコントロールしづらいものです。自分の行動、発言、感じ方、態度など自分に関わる行動を大事にしましょう。

解釈能力のNG例2:否定的な解釈

否定的な解釈は、対他者も、対自分でも起こりえます。

プレゼン資料を上司に褒められたとしても、「きっと嫌味だろうな」「別の会議での上司の発表資料も作れって言われるのかな」「部署の資料作成を押し付けらるかもしれない」など、勝手にネガティブな解釈をするのはよくありません。

解釈はしているけれど、間違った方向に持っていき、相手に不信感を作ったり、勘ぐったりすることになってしまいます。

自分に対してだと「まだまだ自分なんて」って発言が否定的な解釈になります。やったことありませんか?「謙遜する」という社会人としてのふるまいとしてはGoodですが、その事実を受け取っていない証拠になるので、自己解釈としてはよくありません。

ではどうすればよいか?その方法が「リフーミング」になります。

b) リフレーミング:否定的な解釈を肯定的な解釈に変えよう

リフレーミングとは、リフレーミングとは、出来事の枠組み(フレーム)を変えることで、出来事に別の視点を持たせるものです。

コップに水が半分入っているとき、「半分しか入っていない」というフレームと「半分も入っている」というフレームでは、物事の捉え方が異なりますよね。

リフレーミングについての詳細はこちら

否定的な言葉は、認知的にとても強い言葉です。がゆえに慎重に扱う必要があります。例えば、「私は二度と太りたくない。」と言うと、自分は今太っていることになりますよね。「ずっと痩せていたい」と言うと、今も痩せていることになります。認知って不思議ですよね!

「私はプレゼン能力がない」という否定的な解釈も、「私は伝えたいことが多すぎてまとめられてないだけ。伝えることよりも、まとめることがいい」という解釈に置き換えることができます。

ネガティブな出来事や過去の経験も、リフレーミングによって自分に○○をもたらしてくれたもの、と解釈を変えることができます。

まとめ:非認知スキルを高めるには「意識づけ」と「自己解釈」のトレーニングが効果抜群!

自分自身のアクセルとブレーキを調整する非認知スキルは、身近な工夫で高められることがわかりました。

一つは、ダブルループ・トリプルループの思考を意識づけること。意識して取り組むことが、自然とできるようになる一番の近道です。

もう一つは、リフレーミングなどで自己解釈能力を上げること。出来事の解釈を他者や状況によるものから、自分の資質・性質・性格など、自分でコントロールできる範囲に落とし込むことで、自分自身をもっと使いこなせるようになります。

あなたも今日から非認知スキルを高めてみませんか?

投稿者プロフィール

鳥井 美沙
教育・執筆・企画など|社会人向けスクールで企画広報をしながら、複業でWebメディアの執筆・編集などをしています。